こんにちは、中曽根です。
前回:第7回では、顧客満足を実現するためのWebサイトの「構築ポイント」と「コンテンツ企画」について考えてみました。今回は顧客満足のためのWeb戦略にいおいて、サイトをどのように設計するかといった「サイト構造設計」と「業務成果の効果測定」についてお話したいと思います。
シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第8回
顧客満足を実現する中小企業のWeb戦略(その2)
さて顧客満足に向けたWebサイトのユーザーシナリオとコンテンツの準備が進みましたので、ここで(というより一般的には同時作業となりますが)サイトの構造をどのように設計していくかを考えてみたいと思います。「そんなことは制作会社に任せておくから、こちらサイドで考える必要は無いよ」言われそうですね。。
ですが、この程度のことは発注元がしっかりと考えを持ち、制作会社と認識を共有してサイト設計を進めるべきと考えます。中小企業のWeb担当者さんは、それでなくとも業務範疇が広く大変かもしれません。でも結果としてその方が早くに業務課題を発見でき、早期対策へと導くことになります。
ではその方法についてお話します。
第7回の「ターゲット別ユーザーシナリオの設定」と「コンテンツ設計」を前提にサイトの構造を組み立てます。サイト構造とは制作会社からも提出されるツリー構造のチャート図を思い浮かべていただければ分かり易いかと思います。トップページを先頭にして下層コンテンツへと流れていくものです。
尚、本設定ではターゲット別にコンテンツを横並びにしてコンテンツ別の入口ページを設定します。そこから詳細ページをその下に設置してみます。(ここではランディングページ(広告や検索結果用に別途作成する入口ページ)は省きます。)
※「ターゲット別シナリオ」、「コンテンツ」については第7回を参照ください。
コンテンツ1:潜在層向けコンテンツ
「知識提供、気付きを提供」
ここでは潜在層が興味を抱いてもらえるような情報を提供します。市場の一般情報、商品の選択ポイント、その他
コンテンツ2:見込客、顧客予備層向けコンテンツ
「商品選択においての必要十分な情報提供」
潜在層が他サイトを含めて商品選択に必要な情報量を確保して、商品選択に必要な情報
コンテンツ3:顧客層向けコンテンツ
「案内・手続き情報提供」
購入(契約、申込など)手続きに必要な案内情報および、
サポート情報や、リピート購入(契約)などにつなげるコンテンツ、レコメンド情報など。
コンテンツ4:ターゲット全体向けコンテンツ
「疑問対応」 FAQ、Q&Aなどのサポート情報
まずサイト構造を考える上で、上記1~3に大別されるコンテンツをユーザーニーズが満たされる、いわゆる購入(契約、申込など)意欲が顕在化してくる順にサイト誘導できるよう、サイト内リンク(コンテンツ1→2→3のように)します。
また、各々のコンテンツにおけるindex(見出しページ)に関しては、自然検索や広告などとの入口ページとして機能するように設計しましょう。(ここでは詳細省きます)
続いてコンテンツ4においては、情報をまとめるだけではなく、商品ごと、ターゲットごと、またはユーザーのアクション別などでグループ分けするようなサイト構成にすることで、ユーザーが探し求める情報にすぐにアクセスできるような分かり易いナビゲーションを心がけましょう。
顧客満足にはセクショナリズムを超えた運用が大切
今まで述べてきた、ターゲティング、シナリオ設定、サイト情報設計などを企業内で実行に移すにあたっては、Webサイトの担当部署・担当者だけでは完結できません。他部署との連携により、企業の事業、営業、顧客、などの各戦略を土台としてWebサイトの設計、運用していくべきです。(連載第1回中小企業のWeb戦略)
そこでWebサイトの運用においても、ISO、ISMSなどのように、運用手順としてマニュアル化して、どの事項はどの部署が担当して、どの部署に引継ぎ、最終的にどのようなゴールとするかを手順化して、社内ルール化させておく必要が出てきました。
例えば
「新商品・サービスの発表の場合」「商品・サービスの内容・技術・仕様などの変更・バージョンアップの場合」
「サポート・対応内容の変更」など
「問い合わせ対応(内容別に設定)」
「トラブル・クレーム時の対応(内容別に設定)」
等々。
ここで手順書の作成において重要なポイントを補足します。
関係各部署との調整により、どこに自分たちの"業務"が発生してくるのかを認識させ、"逃げ"を阻止するべく社内ルール化をオーソライズしておくことです。仮に新任のWeb担当者が先輩や他部門などにネゴするにあたって障壁がある場合、所属部門長やマネジャー、外部コンサルタントなどにお願いして社内調整を臆せず実行してください。できるできないによって、最終的にWebサイトの部門へ良いも悪いも業務結果として帰ってきます。
総括として
このように、2回に分けて"顧客満足を実現する中小企業のWeb戦略"を考えてきましたが、最終的に中小企業にとってターゲットがWebサイトへと流入した(あるいは広告やプロモーションによって意図的に誘引した)際には、現実的に対応出来うる限りのシナリオをかわきりに、サイト設計、コンテンツ企画、制作へと進めていくのが定石でしょう。
考え方としては、「Webサイト全体でユーザーの成し得たいニーズをいかに、至れり尽くせりの情報設計によってサポートしてあげるか」と言うことに尽きるかと思います。
その後のサイト運用でKPI(指標)をチェックしますか?
第6回:「新規顧客獲得に向けたWeb戦略実施フロー」でも一部照会しましたが、サイト運用にとって節目節目で報告が必要になってくるかと思います。
タイミングは個々のケースにより事情も違ってくると思いますが、ここでは、上司や会社にどのように成果を獲得しつつ、しっかりとサイト運用が出来ているのかを、どういったKPI(重要業績指標~重きを置く数値ってことです。)で計り、動報告していくかを考えてみましょう。
シリーズ第2回:「売れない時代こそ、必要とされる中小企業のWeb戦略」でお伝えしました通り、現状の課題から仮説を立てそれに対する目標を数値として設定したものを指標がKPI(Key Performance Indicator=重要業績指標)になってきます。
簡単に言いますと、業務課題に対する結果の測定と理解ください。
企業により様々な指標が設定されるはずですが、一例として挙げてみますと、
(1)例えば重要なページへのユーザー誘導の数値を計る場合
新規閲覧者数 _件_%増加、リピート閲覧者数 _件_%増加、
離脱数 _件_%減少
流入元サイト、ランディングページ、広告・メルマガからの流入チェック
検索ワード上位*単純に広告やメルマガなどの効果測定の場合も同様。
*ランディングページを設定している場合は個々の貢献度をチェック。駄目なものは排除、リニューアルを。キーワードにひきずられ多く作り過ぎないことも大切。
(2)コンテンツのチューニングによって、今まで多くあったQ&Aや問合せ件数値を計る場合
該当するQ&Aの閲覧数値 _件_%減少、電話問合せ件数 _件_%減少
*コールセンターや社内電話問合せ窓口等と連動している場合は、そちら側の件数や結果などと対比させるとサイトとの関連性も見えてきます。
(3)商取引中(問合せなども含む)のキャンセル数値を計る場合
キャンセル数 _件_%減少
*チューンアップしたコンテンツ、サイト構成によりどれだけキャンセル者を減らせたかという効果測定。
*CPA(顧客獲得単価)を把握している場合は、離脱阻止単価として同額のコストパフォーマンスと見ることが出来ます。
(4)顧客化(購入、申込、予約など)
売上貢献数 _件_%増加
資料請求数 _件_%増加
*EC、トランザクション系(例えば金融関連など)サイト直販以外にも、売上貢献として営業窓口など担当部署への送客数なども含みます。
(5)優良顧客化(購入、申込、予約など)
顧客のリピート訪問数 _件_%増顧客のリピート売上貢献数 _件_%増
*優良顧客化の指標として、直接的にはサイトへのリピート訪問と新規訪問の比率で見たり、リピート売り上げでみることができます。
*また、会員化していれば特定顧客のリピート頻度から優良顧客をランクに分けて把握することができ、次のプロモーションへと発展させることができます。
このように、2回に分けて"顧客満足を実現する中小企業のWeb戦略"をどのように考え、実施して業務成果を測定していくかを考えてきました。
次回からは、大切な自社顧客の他社流出を防ぎ、自社との良好な関係を継続していく方法、いわゆる"Webブランディングにも関わる部分"について考えてみたいと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
次回予告:
シリーズ:「売れない時代の中小企業Web戦略」
第9回
優良顧客を生む中小企業のWeb戦略(その1)
どうぞご期待ください。
こちらもよろしければ、ご覧ください。


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